投資の初心者は仮想通貨や株でイナゴしてはいけない

暴騰している株や仮想通貨に飛びつくイナゴ投資家になってはいけない。

イナゴという投資用語をご存知でしょうか?仮想通貨・株などにおいて、銘柄の価格に影響するニュースが出たり、価格が上昇したのを確認してから銘柄を購入する投資家の事を指します。

上げ相場に乗りたい気持ちは分かるが危険

投資の基本は安く買って高く売るです、とは言っても価格が低迷している銘柄を仕込むのは、更なる下落に巻き込まれて損失が出てしまうリスクが恐いうえに、他の銘柄が上昇した際にただ黙って見ているのも、機会損失の気分がして損なんか出してないのに損をした気持ちを覚えます。

乗り遅れたけど今買えばさらに上がって儲けられるかもしれないという焦燥感も相まって、上昇中の相場に飛びつきたくなる衝動に駆られますが、ここで飛びついてしまうと大きな損失を抱える可能性が出てきます。

暴騰している相場は一過性の買いが入り、先行者が利益確定している

株や仮想通貨(暗号資産)などの金融商品の取引は、売る人と買う人が居ないと成り立ちません。暴騰している銘柄においては、売り板に対してイナゴによる一過性の買い注文が入り続けている事から価格が上がります。その最中に買われていく売り板を置いたのは、価格が高騰する前に銘柄を安く仕込んでいた投資家の利益確定の注文です。

一度利益確定した人が、暴騰中に再び買いで参入することはリスクが高すぎるので殆どありません。となると銘柄の保有者の属性としては、短期の儲けを期待したイナゴの割合がどんどん増えていくことになります。

その中で自らも飛びつき、利益を得る事は簡単ではありません。チャンスに乗り遅れた機会損失の想いと、先行者が得た利益を想像している中で冷静な判断をするというのはイナゴをしてしまう元の心情を考えるととても難しいのではないでしょうか。

イナゴの数も有限であるうえ、短期の僅かな利ざやで満足したイナゴが次々と抜けていくわけですから、青天井と思われた価格の上昇もいずれは頭打ちになり、上昇が停滞すると加速度的に利確や損切りが増えるので、買われすぎによる急騰の後は必然的に暴落が訪れます。

先行した投資家が抜けたうえにイナゴが逃げ去る事から、暴落後の価格は高騰前の低水準をさらに下回る事も珍しくありません。このようにイナゴの参加で暴騰と暴落が起きたチャートの様子をイナゴタワーと呼びます。

イナゴによる損失は回復にとても長い期間を要する

イナゴタワーの上方で飛びついて、逃げ遅れた際は早めの損切りをお勧めします。上述したように銘柄保有者は今にも逃げ出しそうなイナゴが大多数となっているうえ、一度イナゴタワーを形成してしまった後の銘柄というのは、先行投資家は利確しイナゴも殆ど逃げ出した荒れ地であるうえ、残りの保有者は売る気が無いに等しいガチホ(ガチホールド)の投資家か、完全に逃げ遅れて塩漬け状態になっている養分のイナゴになります。この養分イナゴは常に利確および損切りの機会をうかがっており、潜在的な売り圧力および下落リスクとなります。

また暴落で損失を出した投資家が多数いたり、健全では無い値動きをした事などから、それを目の当たりにした投資家からは無意識に警戒されてしまうので、余程の好材料および相場参加者が入れ替わる長い期間を経ないと同程度の高騰は期待できません。銘柄によっては二度と高騰が起こらない可能性も存在します。

この事からイナゴ行為は、上昇を期待し先行して銘柄を保有する事よりもずっとハイリスクで損失を出した際の傷が深くなります。

イナゴタワーを誘引する嵌め込み投資家に注意

このような暴騰を利用して自らが儲けるために、取引高が少なくて急騰が比較的容易な低位銘柄などを仕込んだ後、他者に向けて購入を煽る投資のインフルエンサーも存在します。こういった投資家は、銘柄の運営機関から報酬を受け取り、その銘柄を煽るような行為にも及ぶので注意してください。

株式などにおいては、風説の流布による買い煽り・売り煽りや相場操縦の意図がある取引などは違法行為とされていますが、仮想通貨においては法整備が追いついていないため、2017~2018年度は仮想通貨界隈で上述したような手口をSNS上で行う投資家が散見されました。

投資に関するインフルエンサーは情報の鮮度が高く知識も豊富で頼りになりますが、全ての情報を鵜呑みにしていると、彼らの養分となってしまう危険性も秘めているので、最終的には自分の目で情報を精査するようにしましょう。投資に関する情報は、全てにおいて何らかの意図をもって発信されているということを意識していきたいですね。

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