RPGの完成形
先日、ホラーRPGのOMORIをクリアした結果、プレイしたRPGの中でもトップクラスの内容の神ゲーだったので、その感想を記事にいたします。
OMORIの何が凄いのかと言うと、ゲームとしてもハイクオリティなうえ、ストーリーの構成が素晴らしいことと、RPGというジャンルとして完成しているからです。
まずドット絵グラフィックのクオリティや、コマンドシステムのRPG、可愛らしいデザイン、ひと昔前の現実世界に則した近代的な世界観など、1990年代のゲームに親しみのある30代以降の世代に非常にマッチしている事が前提としてあります。
マザー、ポケモン、果てはゆめにっきといったRPGへのリスペクトが感じられます。
OMORIはそれだけでなく、ロール・プレイング・ゲーム(役割を演じるゲーム)というジャンルのコンセプトを完璧に成立させており、主人公とプレイヤーが完全にシンクロするように出来ています。
主人公の境遇によってプレイヤーと違和感なくシンクロする
OMORIの主人公であるサニー君は、とある事件をきっかけに自宅に引きこもるようになってしまい、その空虚な時間の穴埋めを眠りに費やして、頭の中で描いた夢の世界に入り浸るようになります。
ストーリーは、数年間ひきこもっていた主人公が引っ越しをきっかけに現実世界での時間が動き出し、引っ越しまでの数日間をかつて毎日のように遊んでいた友達たちとの交流を再開して溝を修復するか、そのまま引っ越しまで引きこもり続けて変わらず空想の世界に入り浸るかを選ぶことができます。
主人公は事件をきっかけに心を閉ざし空想の世界に入り浸っていたことから、記憶が曖昧になっていて人間関係にも空白の時間が存在しているので、記憶を掘り起こし人間関係のギャップを埋め合わせる事も目的のひとつになっています。
主要なキャラクターと引きこもる前の関係性は、プロローグで冒険する空想の世界で充分に理解することが出来るので、主人公とプレイヤーの間に知識や認識のズレが殆ど存在しません。
また主人公がしゃべらないタイプのゲームであり、シナリオを進める自由度も高い事から思想や価値観のズレもあまり生じないのも良い所です。
世界が広がっていく物語ではなく、取り戻していく物語であることから、どんどん主人公に感情移入していくため、物語のラストに明らかになる真実の衝撃は自分の事のようにとてつもないものでした。
以下は私のYoutube実況動画ですので、よければご覧ください。
【ネタバレ】グッドエンディング後の考察
※次ページにはOMORIの結末に関するネタバレが記載されています。リンクは広告下です。