犬のしつけにおいて飼い主を悩ませるのがその指導方針で、書籍やネット、媒体を問わず様々な方法が氾濫していて、自分の犬には合っていない間違ったやり方を選択してしまい、むしろ犬との関係が悪化してしまう事もあるかと思います。
特に体罰の有無については人間を指導するのと同様に敏感な問題で、一昔前はアルファ・シンドロームにおける順位付けの習性に基づいたしつけが地位を確立していたこともあり、マズルコントロールやホールドスティールといった強引に犬を抑えつける方式どころか、殴ったりしてでも舐められないように分からせるという伝聞で広まった、乱暴なしつけ方法を唱える人も少なくないです。
現在ではアルファ理論は否定され、褒めるしつけも浸透しています。しかし褒めるしつけも万人において確実な効果があるわけでなく、犬の短期記憶は数秒程度と短いので素早く褒めてご褒美を与えるなど、飼い主自身が知識とコツを身につけて正しく行わなければいけないでしょう。
つまり、特定のしつけの方法そのものが善悪というより、時には体罰を用いる叱るしつけでも、褒めるしつけでも、正しい知識や犬との信頼関係という土台が無ければ望みの結果は出ないことになります。
どのしつけにおいても土台が必要
しつけを受け入れてもらうのに必要な土台の第一は信頼関係ですね、基本的に穏やかで居て犬を家族として可愛がり、ご飯・散歩・トイレ交換などの世話をするだけでワンちゃんは飼い主の事を慕ってくれると思います。
嬉しいことが起きるから・主人だから言う事を聞こうと犬に思ってもらう事から始めないと、どんな指導方針でも正しく聞き入れてくれる事はないでしょう。
また、しつけを行う上での一貫性も大事です、ひとつの行動において状況によって大目に見たり叱ったりしていては、犬はすぐには理解できませんし、一貫性の無いことばかり強いられていたら前述の信頼関係にも影響してしまいます。
そして信頼関係と繋がりますが、根底に飼い犬への愛情を持っていることも必要です、ルールに従わないからといって罰を与え続けてたり、怒りの感情をぶつけていては嫌な事をする人間だと犬に覚えられてしまうでしょう。しつけがすぐには上手くいかなくても、イタズラに対してきつく叱ったとしても、クールダウンしたら笑顔で犬に接することで、良い関係性を保ち続けていられると思います。
私もアルファ理論を否定する反動で、飼い犬に対してなるべくキツく叱らないようにしていましたが、興奮している時などこちらの意思が伝わっていなさそうな場面が見られるので、しつこい場合には叱るだけじゃなく首元をぎゅっと一瞬だけ鷲掴みにしてNOの意思表示を明確にしたところ、伝わりやすくなったと感じます。
うちのウェスティは陽気で遊び好きで興奮しやすいので、声で叱るだけでは足りない場面もあったのかもしれません。
よく考えてみれば、犬同士なら親子でも友達でも、じゃれているうちに倒したり倒されたり、怒られて教育になる事があるのに、人間だと絶対NGとしてしまうのも短絡的ではないか?と思いました。
犬の性格も人間と同じく十人十色なので、特定のしつけに捉われず、飼い犬の反応や現在の方法で改善の兆しがあるかよく観察して、我が子に合った指導方針を確立していくよう努めるのが必要ですね。