子犬の現実
先日の記事の通り、ウェスティ(ウエストハイランドホワイトテリア)の子犬を飼い始めて一か月ほどになりました。動画も撮りためていますのでそのうちYoutubeに動画を投稿していこうと思っていますが、世話に時間をとられ中々スタートできません。
私は犬の飼育において初体験の初心者なので、それなりの覚悟と予習をしていたつもりですが、実際に自分の下に来ると想像以上の愛おしさと同時にストレスも抱えることとなり上手くいかないので、今回は犬を飼うということの負の面にフォーカスした記事を書きました。
育犬ノイローゼという言葉もあります、犬を飼う予定があってこれを読んだ方は決して子犬の問題行動はレアケースの他人事と思わず、また既に飼っている方はできるだけ子犬の現実を周知させてください。
子犬はお利口ではない
私はそれなりに動物好きなので、犬は迎え入れたその日から人生に楽しい彩りを添えてくれるものだと夢見ていて、まだ飼った経験が無くこれから飼う方の中にも同じ考えの方がいるかと思いますが、正直それはお花畑な考えです。飼い始めは毎日が嵐で、たまに晴れ間が差す程度と考えた方が妥当かもしれません。
子犬のうちは起きている間の殆どは理性よりも好奇心や様々な欲求に頭の中が支配されています。しつけが一歩進んだと思ったら二歩下がることもあります。
生後半年以下の子犬たちは、人間側の都合で制御するには未熟ですが、同時にここが社会性を学ぶ時期でもあるので、愛情を絶やさず根気強く刷り込みを続け様々な刺激を与えなければいけない時期です。
人間の赤ちゃんは、生まれたての頃はこちらに干渉する力は弱く、育児のなかで大きくなるにつれて言葉を覚え、理解の程度はともかく明確な意思疎通が取れるようになります、成長のペースもペットより緩やかです。しかしワンちゃんはそうではありません。
ワンちゃんはお迎えした時から猛烈な体力と鋭利な乳歯・強い顎を持って、こちらに大いに干渉してきます。それにも関わらず、こちら側の意思は根気強いトレーニングで刷り込まない事には覚えてくれず、あまり悠長にしていると成犬になりしつけが難しくなります。
言葉が通じず、本来は生きる世界が異なるうえに強い武器を剥き出しに干渉してくる小さな暴君を相手にしないといけません。
環境によっては常にうんちまみれ
留守番で離れていた飼い主と再会した時や、遊び中のパピーちゃんはその興奮ぶりを体で表現します。全力でサークルやケージを走り回り、飛び回ります。そこに自分がしたうんこがあろうと…。
仕事などで定期的に長時間留守にする一人暮らしで、パピーちゃんをケージ飼いで迎えようという方は、仕事で疲れて帰宅して最初にやることが、くそまみれのパピーちゃんとケージを掃除することから始まる生活を覚悟してください。
その後の餌やりと遊びとしつけトレーニングに合わせて自分のこともしないといけません。またうんちを放置していると食糞をしている場合も多いです。
朝にパピーちゃんより早く起きられなかった場合も、先に起きてうんちをした後に、起きてきた飼い主さんに興奮して一面糞だらけという朝から地獄を強いられるコンボもあるので二度寝や爆睡は厳禁です。
噛みまくりのカミカミ期
3~6ヶ月は歯が生え変わりの時期のためかとにかく歯が気になるようで、何でもかんでも噛み噛み…。噛まれたり舐められたりおしっこなどが付いたら困るものは床に置いておけません。
さらに、個体差はあるでしょうが特に好きなのは人間の手なのでパピーちゃんをフリーにしている時間の多くは手を狙われるでしょう。
甘噛み・じゃれ噛みと言いつつも強靭な犬の顎と鋭利な乳歯で挟まれるので結構痛いです、興奮するとさらに力を込めて噛んできます。うかつに手を引っ込めたら傷になったり、遊んでると勘違いしてさらに興奮します。
ダメ!って低い声で怒ってもなかなか放してくれませんし、怒鳴りつけても興奮を煽るだけ。だから根気強く我慢しながらと言ってもかなり辛いから色々と試行錯誤をする。この根比べの躾が延々と続きます。
飼い主にとっては平和にスキンシップを取りたいのにという所ですが、パピーちゃんに悪気は無くむしろこれがスキンシップそのもので、気持ちのすれ違いが常に生じます。
トイレの前後や就寝直前も興奮しがちなので、落ち着いてパピーちゃんと理想的な触れ合いができるのはごくわずかな時間しかありません。
このように大量の時間と、極度の疲労と「この躾が正解でちゃんとした成犬になるだろうか」という将来の不安が付き纏うのが子犬の育犬です。
かわいいから衝動買い、寂しい一人暮らしのお供に…という安易な気持ちで飼えるものではないと思います。私のパートナーは実家で犬を飼っていた経験があるのと、私もそれなりの覚悟を持ってお迎えしましたが、二人ともすっかり打ちのめされてヘトヘトでイライラする事もあります。
でも合間の平和なスキンシップの時間や、意思疎通が取れていると思える瞬間、犬が眠い時に寄り添ってくれる時は本当に愛おしく、ずっと一緒に居たい、長生きして欲しいと心から思えます。
成犬になる頃にはこの苦労が思い出話になるとの意見が散見され、それが実感できるのはまだまだ先ですが、もっと幸せなその将来を目指して子犬と向き合っていこうと思います。