仮想通貨が何か分かると投資も楽しい
知人と暗号資産(仮想通貨)の話をした時の反応や、世論的にも仮想通貨に対して良いイメージは持たれていないと感じる場面が多々あるのですが、個人的にとても興味深く面白い界隈だと思っているので、私のそのように感じる理由や認識をざっくりQ&A方式のように書いていこうと思います。
あくまでもこれまでの情報収集に基づいた個人的な見解と認識で、ビットコインの構造などについて正確ではない可能性がありますのでご注意ください。また、本記事を参考に投資を始め損失を被っても一切の責任を負えません。
ビットコインって何?
ビットコインとは仮想通貨です。仮想通貨という総称の通り、ネットワーク上でやり取りされていて、そのやり取りの記録はブロックチェーンという技術を用いてネットワーク上で管理されています。最終的な発行枚数が決まっているものの、まだ発行完了には至っておらず枚数が増え続けています。
そして通貨のやり取りと言ってもデータ上のやり取りで、何かしらの実体が動いているわけではありません。何時何分に○btc(ビットコインの単位)がここからそこに移動したよというデータが積み重なっているだけです。そのデータをトランザクションと言います。
ブロックチェーンって何?
btcが移動したよというトランザクションの塊をブロックと言い、そのブロックの繋がりがブロックチェーンです。10年近く前にサトシ・ナカモトと名乗る人種も明らかになっていない謎の人物によって論文が発表されて以降、一部の有志によってアップデートが続けられています。
ブロックの全てはひと繋がりになっているうえ公表されており、歴史上最初の取引の記録を私たちがネットで確認することも可能です。
イメージは、世界中でやり取りできる銀行口座の、全ての取引履歴は1つの通帳で管理・共有されていて、その通帳は誰でも見ることができるという感じです。
最新のブロックをブロックチェーン上に記録する為には膨大な計算と検証が必要で、その処理はネットワークに参加しているマシン(ノード)が行います。計算を行ったノードには報酬として送金時にかかる手数料と、新規発行されたbtcが与えられます。
その計算を行い報酬を得ることをマイニングと呼び、それをしている人およびマシンをマイナーと呼びます。
じゃあマイニングって儲かる?
ビットコインのマイニングは既にビジネスの土俵となっているので個人が参加するのはオススメできません。またマイニングは多大な電力を消費するので、場所と電気のコストが高く高温多湿な日本では安全性の確保と採算を取るのが難しいです。
不特定多数に履歴を見られるのは嫌だ
btcをやり取りする際に必要なアドレスは無制限に作れるうえに、素人がアドレスやトランザクションから確認できる情報は限定的なので、私たち一般人が心配する必要はあまり無いです。
データの通貨なんてハッキングとかで盗まれるのでは?
上述したとおり、ブロックチェーンはひと繋がりなので、どこかを改ざんをするには前後の膨大な検証結果も編集する必要があります。ビットコインを保管するウォレットも複雑に暗号化されており、今まで技術的にブロックチェーンやウォレットが突破された事はありません。
じゃあ仮想通貨の盗難事件はどういうこと?
仮想通貨の取引所は、取引やユーザーの入出金を円滑にするために、ホットウォレットに一部の仮想通貨を保管しています。
ウォレットとはアドレスを生成して仮想通貨を保管・やり取りする銀行口座のようなもので、ホットウォレットとは全てネット上で管理され常にネットワークと接続状態にあるウォレットのことです。なので、取引所のセキュリティに脆弱性があった場合、そこから取引所のネットワークに侵入されてホットウォレットを操作しコインが盗み出されます。
これが大体の盗難事件の原因です。これを銀行からお金が盗まれる事に例えると、構内に侵入され、そこに置いてあった鍵を使って金庫からお金が盗まれたという感じです。原因はセキュリティを突破された取引所にあります。
じゃあ自分で管理できればビットコインって安全?
現実で盗まれるリスクは少ないものの、ネットワーク上で取引が完結する通貨であるがゆえに、ウォレットをインストールしているPCやスマホが、ウイルスやハッキングによって操作されるリスクが盗難リスクに繋がります。現実で強盗や泥棒に遭うのと、端末が乗っ取られる確率のどちらが高いかは分かりません。
ハッキング対策としてウォレットの情報をQRコードに変えて紙などで保管(コールドウォレット)したり、ハードウェアウォレットという認証のための端末を導入することで第三者が侵入するリスクをゼロに近づける事ができますが、そのぶん管理の手間が増えます。
またビットコインは銀行口座の暗証番号のように、自分で設定した送金用のパスワードや、秘密鍵というウォレットそのものを形成する文字列を自分自身で管理しなくてはいけません。
仮にPCやスマホが壊れてウォレットに接続できなくなったうえに、秘密鍵および代わりの復元パスワードも紛失してしまった場合は、ウォレットの情報とアクセス手段を失ってしまった事になるので、そこに保管していた仮想通貨はこの世の誰も取り出せないものとなります。管理者も居ないので復旧の問い合わせ窓口もありません。
これを現実のお金より管理が難しいと取るか、安全と取るかはその人の趣味嗜好や性格によると思います。私はPCが趣味で細かい性格なのでウォレット管理はあまり苦ではありません。
なんか難しいものなのは分かったけど、率直に何が魅力なの?
上述したように、ビットコインは開発者が行方をくらましていますが多数のノードによってシステムが稼動し、有志によってアップデートが続けられていて日に日に存在感が強まっています。
これは、管理者の一存によって大幅に仕様が変わったり、管理者のトラブルによって身動きを取れなくなる事が無い、民主主義的な「非中央集権」通貨であり、そこが評価されている点のひとつです。大量に紙幣が刷られて価値が変動したり超インフレに陥るようなリスクを秘めた、国々独自の通貨などは「中央集権」であると言われています。
またネットワークに繋いでいるだけで、国境を越えて全世界共通の価値によって取引され、また日常の支払いで利用できる可能性も備えた利便性も期待されています。このことからビットコインは「デジタルゴールド」と一部で呼ばれています。
億単位の資産を国から国へ数十分で送ったり、為替を介さずに各国で買い物をする事は難しいですが、ビットコインおよび一部のアルトコインではそれが可能になってきています。なので現時点での利便性の高さは、ゴールドや途上国の通貨以上と言っても過言ではありません。
ただ現状の仮想通貨はボラティリティ(価値の変動)が非常に激しいうえ、上述した管理の難しさから、老若男女が気軽に所有できる物とは言えないので、さらなる安定と簡略化・利用機会の拡大が課題です。
また国に戸籍を置いて自身の存在を証明し、色々な手続きが行える現状のように、セーフティネットとして管理されることを選ぶ人に、自己責任の側面が強い非中央集権が受け入れられるかも懸念です。身分さえ証明できれば銀行預金は帰ってきますが、仮想通貨は秘密鍵の文字列が全てです。
私が一番面白いと感じているのはデジタルゴールドの点です。その技術をもって、ただのデータに億から兆単位の現金が動くような価値が付いている事そのものがとても面白いと思いませんか?画像や音楽データなどではなく、複雑な計算に基づいた記録データに現実のお金が動いている事にロマンを感じます。
色々どうでもいいけど儲かる?
明言はできませんが現時点から1,2年が楽しみではあるという理屈と統計が存在します。
ビットコインには半減期というのが設けられており、特定のブロック数を迎えると、マイナーに与えられる報酬のbtcが半分になります。btcの発行が終了するとノードに与えられる報酬は手数料のみになります。
報酬が半分になると、半減期前の価値ではマイニングの運用コストは逆に倍増してしまうので、価格が上がるまで報酬のbtcが市場に売りに出されない可能性があり、供給量が減ることでビットコインの希少性が上がり、価値も上がるという思惑があります。
また海外のトレーダーがTwitterで投稿した統計が以下の画像です。
グラデーションになっている丸の位置が価格で、色が次回半減期までの残り月数をおおよその周期である約50ヶ月で表しており、過去2回あった半減期前後の価格のピークは次回半減期まで残り30ヶ月もとい、半減期から20ヶ月後であるのがうかがえます。
今回迎える半減期は2020年5月が予定なので、上昇トレンドが発生した場合、統計通りにいくと価格のピークは2021年末~2022年初頭あたりになる計算です。
仮想通貨は昨年にバブル崩壊後の下降トレンドを抜け出してから価格が乱高下しており、上昇トレンドの再来も期待されていて目が離せない状況になっています。
世に出ている仮想通貨すべてをひっくるめてしまうと、詐欺まがいのものや投資対象にならないものが殆どですが、ビットコインおよびイーサリアムなど一部のアルトコインは、ボラティリティの高さからハイリスクであるものの、技術や社会への影響力においては既に無視できない存在だと個人的に思うので、注視しておいて損はありません。