舞の海の再来、若き小兵力士「炎鵬」関
今も衰える様子がない大相撲人気を後押しする、新たなスター「炎鵬 晃」関が幕内昇進を果たして2場所目の7月場所で勝ち越しと技能賞を獲得しました。なお100キロ未満の小兵力士が幕内で勝ち越すのは舞の海関以来で20年以上ぶりの事だそうです。
その若さと「イケメン・かわいい」と人気の甘いマスクもさることながら、170cm,100kgに満たない大相撲では小兵(こひょう)と呼ばれる小さな体格にも拘らず、幕内に上がっても真っ向勝負を貫き通す取組がファンの心を鷲づかみにします。
小兵の力士が主人公の漫画『バチバチ』シリーズと被る
彼の活躍を見て真っ先に思ったのが漫画シリーズ『バチバチ』『バチバチBURST』『鮫島、最後の十五日』の主人公である「鮫島鯉太郎」そっくりという事です。鮫島のモデルは5chなどでは舞の海関であるという予想がたびたびされていましたが、奇しくも同様の力士が現代に再来した事には驚くばかりです。
似ているのは体格だけではなく、得意の型と技も「左四つ」「下手投げ」で三者は似ています。決まり手の割合としてはさほど多くない下手投げで、現実の舞の海関と炎鵬関が被るというのは珍しいんじゃないでしょうか。
『鮫島、最後の十五日』第42話「鮫島-巨桜丸」12
なお炎鵬関の決まり手については押し出しも多く、小兵でありながら正攻法の押し相撲で真っ向勝負を挑むことも少なくありません。鮫島も自らの負担を省みない全身全霊のぶちかましで立ち合いを制し、時に体重差の大きい相手とも張り合いに持ち込んだりと、積極的な押しが迫力あるシーンで描かれています。
『鮫島、最後の十五日』第41話「鮫島-巨桜丸」11
怪我に気を付け、三役定着を目指して欲しい
これからの更なる活躍を期待しながらも、大きな怪我が無いように我々ファンは祈るしかありませんね。舞の海関の晩年は稽古すらままならない状態だったらしく、また引き合いに出すのは気が引けますが、漫画の鮫島も場所後半は普段の食事が喉を通らないのでエナジーゼリーなどで済ますという描写がされていました。
取組ごとの負担は平均的な体格の力士とは比べ物にならないと思われるので、言うまでも無い事ですが身体のケアを最優先にして欲しいです。また小兵と言うハンデも彼のドラマ性の一つではありますが、体重においては増量して克服することを応援していきたいですね。まだ若いのでいずれは三役、そして優勝されることを願ってます。
余談ですが、炎鵬と鮫島の話題が全然ないじゃんと思い記事の執筆を始めたのですが、ジャンプで連載中の『火ノ丸相撲』の方が炎鵬と比較されているのを情報収集の時に多く目にして「あぁ~そっちかぁ~天下のジャンプだもんなぁ~~~!!」と少し切ない気持ちになりました。バチバチも作者急逝で未完であるものの語り継がれるべき作品なので風化しないよう記事にしていこうと決めました。