『バトゥーキ』のオススメと展開予想。ギャング・学園・カポエイラの世界観

『バトゥーキ』という青年誌のヤンジャンで連載中の格闘バトル漫画がオススメです。

ギャンブル・バトル漫画の傑作『嘘喰い』で知られる「迫稔雄」先生が描く、青年漫画雑誌『ヤングジャンプ』から『ヤンジャン』アプリに移籍し現在は隔週で連載している、カポエイラという格闘技が軸の漫画『バトゥーキ』がストーリー展開からバトルまで余すところなく面白いので、オススメしていこうと思います。少々ネタバレを含むので、ご了承のうえ読み進めてください。

アプリ移籍かつ隔週連載になりましたが漫画の勢いは加速し続けており、バトルシーンの画力と迫力ももの凄く、個人的には嘘食いを上回る興奮度です。

あらすじ

中学1年生の少女『三條一里』は活発で朗らかに生きているが、親の事情による理由を知らない幾度もの引越しや、それ以外にも部活すら許さない親の激しい束縛によって閉塞感を覚える毎日を送っていた。しかし偶然同じ中学に入学した旧友の栄子と、カポエイラを操る黒人の謎のホームレスとの出会いにより、彼女の運命は予想だにしない方向へ大きく動き出す事となる。

上述したものが第一話のあらすじなんですが、ここからどうなるんだろう?と困惑する内容ですよね。学園スポーツものにしては各所で不穏さが漂うし、前作『嘘喰い』も第三話までは以降の展開が全く予想できない始まり方でしたから、本作も同様に期待と困惑が入り混じる出だしでした。

カポエイラが繋ぐ必然に近い運命の出会い

黒人ホームレスが見せたカポエイラにただならぬシンパシーを感じた一里は、両親に内緒で栄子と一緒に、黒人ホームレスにカポエイラを教わりに行きます。そこにはそのホームレスをメストレ(師)と仰ぐ少年「純悟」も居て、自然とその4人は学校外の時間や休日にカポエイラを通じて交流するようになります。

一里の様子の変化を察した両親は彼女がカポエイラに触れている事に気付き、何かを悟ります。実は一里の両親もカポエイラと深い繋がりがあり、そして一里の今の家族は本当の家族ではなかったのです。

一里はとある理由で実の両親と別れ、今の親が代わりを勤める事となり、そこで芽生えた愛情により一家で夜逃げして、偽の家族は追われる身となりました。度重なる引越しや激しい束縛は逃亡と潜伏が目的だったのです。この辺の詳細はぜひ本編をお読みになってください。

メストレとの出会いや交流によって、上記の因縁に関わり一家を追っていたB.Jというヤバいカポエイリスタも一里達を見つけてしまいます。

結果的に今の両親はB.Jに攫われ一里への人質とされてしまい、そして一里を鍛えてとある戦いに勝たせるのが目的であるB.Jによって一里は本格的にカポエイラを教え込まれ、ストリートファイトを中心とした暴力の渦に身を投じる事になるのでした。

ここまでが2巻くらいまでのストーリーなのですが、連載開始直後からは予想だにしない怒涛の展開でした。掲示板などでの感想も因縁が明らかになる前までは、嘘喰いのようなパンチの効いた展開を求めている読者から「つまらない」といった不評もちらほらありましたが、話が進むにつれて好評の声が増えてきた印象です。

複雑に利害が絡み合う各勢力

時が経ち、高校生になった一里はB.Jの命令で様々な格闘技の強者と戦うことになり、複雑な因縁が絡み合いヤクザにも目をつけられるようになります。戦いを重ねる中で事態が大きくなり、ついにB.Jとの人質関係を栄子や純悟にも話さなくてはいけない時が来ましたが、2人は一里を支える事を決心して協力を申し出てくれるのでした。

そんな一里の暴露はヤクザの耳にも入り、B.Jの確保が利益になると踏んだヤクザはB.Jの襲撃を決行します。

以上が5巻くらいまでのストーリーです。バトルパートや要所を省いて書きましたが、伏線や相関関係が絡み始め、登場人物や舞台は限定されているにも関わらず重厚かつ熱くなれる物語が展開されています。

随所に挟まれる独特のギャグ

上述したあらすじの通り全体的に緊迫した物語なのですが、随所にキャラの人間味が感じられる緊張をほぐすようなギャグが挟まれるので、ストーリーの重さが緩和されてそこまで構えなくても楽しめる作品に仕上がっています。

バトゥーキ第45話で栄子がB.Jの拠点に潜入するシーン

バトゥーキ第45話「BAR B.J」より

このシーンは栄子が独断でB.Jの拠点に潜入しようとする緊迫した状況で、この時点で栄子は既にB.Jの危険な企みを一里から聞いているのですが、どうしても緊張感が感じられないので笑えてきますね。右下のB.Jも一里の動きを不審がっているようにも見えるし、子の非行を憂う親にも見えていまいち締まりが無くなっています。

ドリームマッチのような異種格闘技戦

本作はリアル寄りの格闘漫画で、様々な格闘技に精通したキャラが登場し、異種格闘技戦を繰り広げます。カポエイラvs〇〇だけでなく、伝統派空手vsフルコン空手、柔道vsサンボなどの格闘技ファンなら妄想してしまいそうなドリームマッチも繰り広げられます。

またボクシングにおけるナジーム・ハメドなど、実在の格闘家をモデルにしたファイトスタイルのキャラも登場します。

今後の展開予想

こちらは既に読んでる方向けの段落になります。B.Jの見立てを上回るほどに強くなった一里、今では仲間となったかつての敵との絆も深まり、ヤクザの存在も含めてB.Jが危機感を覚えるほどの歪みが明確に出てきています。

『嘘喰い』のセリフの一つに「破滅する時は何かを見誤った時だろう」というものがあります。その視点で言えば現状のB.Jは一里をはじめとした手駒や敵の実力を見誤っているのではないでしょうか。

一里も年長者キャラに迫るレベルの実力になっているので、そろそろ作中最強クラスの実力で暗躍するB.Jの地盤が揺らぐ大きな展開が起こるのではないかと予想します。

過去に本記事で一里・B.Jの関係性全体で共闘するのではという予想をしましたが、それは有り得なさそうなくらい敵対してきているので、大外れでした。

バトゥーキ(Batuque)の意味は?

本作のタイトルである「バトゥーキ」は、大筋の意味としては、本作でも最近の話で語られた「カポエイラの源流(起源)」と言える格闘技の事を指すようです。

ただ今ではバトゥーキ自体を継承している人は誰もいなく、現在のカポエイラの技にバトゥーキから伝わった技も含まれているとのこと。

そしてバトゥーキもカポエイラも格闘術だけを指すのではなく、付随する歌や踊り・戯れなどの表現すべてを指す文化のようなものだそうです。

本作も単なる格闘漫画ではなく、合間に歌や楽器・伝統的なレクリエーションにフォーカスした回も含まれています。

ド派手なバトルと緻密な展開だけでなく、迫先生のカポエイラをはじめとした格闘技への愛が溢れている『バトゥーキ』は今トップクラスに熱いオススメの漫画です。

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